4.6 サイエンス・テクノロジー・グループ (STG)

沖縄科学技術大学院大学は、本学の目標を実現するため、研究ポートフォリオを拡大、補完し、沖縄のより広範な発展を支援する活動を追求するための機会に柔軟に対応する必要性があります。サイエンス・テクノロジー・グループはこれらの活動に焦点を合わせ、様々な方法で本学の研究活動に貢献しています。これにより、完全な研究ユニットとしての活動は保証されないが、新しい科学的又は技術的な方向性が支援され、技術的支援をするための熟練した指導力を提供し、あるいは国内外の機関との科学的、技術的、産業的、教育的、もしくは文化的連携を発展させることが可能になります。

4.6.1 サイエンス・テクノロジー・アソシエイト(STA)

STAは、STGにおいて、本学の研究ポートフォリオを拡大、補完し、沖縄のより広範な発展を支援するプロジェクトに従事します。この職位は、より広範な技術を対象とし、本学の能力向上のために柔軟に用いられます。

STAには、関連する科学的、技術的、産業的、教育的又は文化的分野における 特別な研究スキル及び主題知識が求められます。資格及び経験により、STAには3つの職位階層があり、各階層で、専門的成果を高めることが求められます。STAの定義は「役職及び職位に関するガイドライン」に記載されています。

STAは通常、自分自身の研究を行うことを期待され、又は研究ユニットに属することができ、資源の配分を受けます。STAは、教員担当学監の同意を得た上で代表研究者として外部の研究助成金に応募することができます。

ユニットに所属するSTAの研究評価は通常、所属するユニットのユニット審査、又はユニットを率いる教員のテニュア審査(外部評価者による現地審査に基づいて行われる)に含まれます。当該STAの場合、4.6.1.1に規定されている外部評価者による個別のピアレビューは実施されず、1回目と2回目のレビューは、前述したユニット審査またはテニュア審査に置き換えられます。ただし、4.6.1.3及び 4.6.1.4に規定される推薦は、当該STAの雇用契約または/および昇進(該当する場合)に関する内容を含みますが、当該STAの予算はユニット予算に組み込まれるため、研究資金に関する内容は含みません。

4.6.1.1 外部専門家によるピアレビューの審査基準
STAの任用及び研究評価は、外部専門家によるピアレビューに基づいて行われます。通常、1回目の審査は雇用4年目の終わりまでに行われます。1回目の審査の結果、単任期制雇用契約が継続された場合、2回目の審査は雇用8年目の終わりまでに行われます。ピアレビューの手続きの詳細は、教員担当学監が別途定めます[リンク:サイエンス・テクノロジー・アソシエイトのレビュー・ハンドブック]。ピアレビューの基準は、以下のとおりです。

  1. 研究又は研究に相当する活動の質及び重要性。
  2. 科学的、技術的、産業的、教育的又は文化的観点から見た、研究の重要性及び影響力。
  3. 研究資源を有効に活用していることが証明されていること。
  4. 学術機関、企業、又はその他の国内外の機関との、学外パートナーシップの発展に貢献していること。
  5. 今後の研究計画

4.6.1.2 サイエンス・テクノロジー・アソシエイト(STA)のための「ストップ・ザ・クロック」ポリシー
出産、養子縁組、子育てに関する親としての責任を遂行することを目的として、STAは、審査の開始を遅らせ、契約の延長を申請することができます。「ストップ・ザ・クロック」は2回まで申請することができます。多子出産(双子など)の場合でも、「ストップ・ザ・クロック」を一度に2回申請することはできません。

このポリシーは、産前・産後休業や育児休業とは別に申請が必要です。当該休業を取得することは自動的に「ストップ・ザ・クロック」の申請とはなりません。審査の開始の延期は、STAの通常の責務を免除するものではありません。

申請を希望する場合は、審査のプロセス開始前(つまり、審査の必要書類の提出期限)までに、教員担当学監に「ストップ・ザ・クロック」申請フォームを提出しなければなりません。申請フォームが教員担当学監及び学長により承認された場合、以下の手続きが行われます。

  1. 審査の開始が最長1年延期されます。
  2. 雇用契約書の任期満了日が最長1年継続されます。ただし、4.6.1.5に記載された条件を満たすことが前提です。
  3. 研究予算が最長1年継続して確保されます。

酌量の余地がある場合(例:多子出産、困難な妊娠、未熟児、出産に関する病状など)、教員担当学監の裁量により、更に3-6か月の延長が許可されることがありますが、延長を申請するには、教員担当学監に関係書類(診断書等)を提出しなければなりません。

4.6.1.3 1回目の審査後のプロセス

  1. STAの最初の任用は通常、単任期制で、最長5年間です。4.6.1.1に記載されている外部専門家によるピアレビューの結果及び本学への今後の貢献を考慮しながら、教員担当学監、プロボスト、教授会議長又はその指名する者は、STAの契約と研究資金の更新について、学長に推薦を行います。推薦は、下記のいずれかが含まれます。
    1. 単任期制雇用契約の継続、及び最長5年の研究資金の継続、又は/及び昇進(該当する場合)。
    2. 任期制雇用契約を任期満了日、又は、結果を通知した日から1年後のどちらか遅い期日に終了する。ただし、4.6.1.5に記載された条件を満たすことが前提です。
  2. 特別な事情がある場合、上記4.6.1.3 (a)の推薦が行われる前に、4.6.1.1に記載されている外部専門家による1回目のピアレビューの結果及び本学への今後の貢献を考慮しながら、教員担当学監は、単任期制から更新任期制への変更について、研究員任用委員会(RSAC)に推薦を行うかを決定することができます。RSACへの推薦の手順は、4.6.1.4 (b)に記載されています。

学長は、上記の推薦をもとに最終決定を行い、当該STAに結果を通知します。

4.6.1.4 2回目の審査後のプロセス(更新任期制への変更)
4.6.1.1に記載されている外部専門家による2回目ピアレビューの結果及び本学への今後の貢献を考慮しながら、教員担当学監は、単任期制から更新任期制への変更について、研究員任用委員会(RSAC)に推薦を行うかどうかについて決定します。

  1. 教員担当学監が更新任期制への変更を推薦しない場合、教員担当学監は学長に、当該STAの単任期制雇用契約の終了を推薦します。終了日は、任期満了日もしくは、結果を通知した日から1年後のどちらか遅い期日で、かつ4.6.1.5に記載された条件を満たすものとします。学長が契約終了の推薦に同意しない場合、学長は当該STAとその他の結果について話し合います。
  2. 教員担当学監が更新任期制への変更を推薦する場合、RSACに書類が提出されます。書類には、外部専門家によるピアレビューで使用された書類一式、及び更新任期制の任用条件を満たす旨を記載した教員担当学監からの書簡が含まれます。RSACは、以下の基準を用いて、更新任期制への変更、研究資金、又は/及び昇進(該当する場合)について学長へ推薦を行います。

外部専門家によるピアレビューの結果、研究成果の評価が「Outstanding」又は「Excellent」である今後の研究計画が卓越しており、今後10~15年間、当該分野において重大な影響を与える可能性が大きい本学の学術的評価に明確な利益を与えることが証明されている

RSACが更新任期制への変更を推薦し、学長がこれを承認した場合、STAは単任期制から更新任期制へ契約を変更することができます。また、更新任期制のSTAの任用は、大学の雇用契約に基づきます。同契約は適用される就業規則に従い、どちらかの当事者が雇用契約の終了を申し出ない限り、満65歳となるまで同期間同条件で雇用契約を更新することができます。更新任期制への変更の際、またはその後行われる5年毎の審査が良好と判断された場合、給与について交渉することができす。

RSACで更新任期制への変更を推薦しない場合、STAの雇用契約は終了します。終了日は、任期満了日もしくは、結果を通知した日から1年後のどちらか遅い期日で、かつ4.6.1.5に記載された条件を満たすものとします。

4.6.1.5 単任期制雇用の合計期間について​
いかなる場合でも、単任期制雇用は、2013年4月1日以降における最初の契約締結(又は更新)から10年目の終わりまでに終了しなければなりません。

4.6.1.6 更新任期制のSTAについて
更新任期制のSTAは、少なくとも5年に1回、外部専門家によるピアレビューを受け、研究資金、昇進、給与調整(該当する場合)についてRSACによる審査を受けます。RSACが昇進について推薦を行う場合、教員担当学監はその推薦内容を学長へ報告し、学長が最終決定を行います。

更新任期制のSTAは、本学が提供する研究資金の他に、外部資金を獲得することができます。更に外部専門家によるピアレビューの結果が良好でないために本学からの研究資金が非継続となった場合でも、外部資金を獲得することができます。本学の研究資金が非継続となった後、研究成果が認められ、教員担当学監の承認が得られた場合、STAは、適時、外部専門家によるピアレビューを受け、本学からの研究資金を再び申請することができます。外部専門家によるピアレビューの結果をもとに、学長は下記のいずれかの判断を行います。

  1. 本学からの研究資金の再開を承認する(最長5年間)。
  2. 本学からの研究資金の再開を承認しない。

4.6.2 STA の年間業績評価及び年俸の増額

STA は毎年、前年度の業績を評価されます。具体的には、教員担当学監と面談を行い、必要であれば助言を受けます。その詳細はSTA 年間業績評価ガイドラインのとおりです。面談は、研究、資金獲得(特に外部資金)、そのほか大学への貢献などについて、STA の実績を評価する機会です。また必要に応じ翌年の目標設定や業績向上のためのアクションプランを立てることもできます。

業績の評価が「満足のいくもの」であった場合、本学の予算状況に鑑みて、その年俸が増額される場合があります。
STAの研究実績は、PRP4.6.1.1「外部専門家によるピアレビューの審査基準」の記載に基づいて、別途評価されます。

4.6.3 サイエンス・テクノロジー・グループ(STG)フォーラム

4.6.3.1 STGフォーラムの役割
STGフォーラムは、STGの発展について議論する機会や本学に関する情報をメンバーに提供します。また、同フォーラムはメンバーの意見や提案を収集し、本学にフィードバックするとともに、共通問題の特定・検討や研究成果の共有を促します。

4.6.3.2 メンバーシップ及び役員
全てのSTAは、STGフォーラムのメンバーです。そのうち、1名がフォーラムの議長として選出されます。STGフォーラムは、教授会におけるSTGの代表を選出します。

4.6.3.3 ミーティング
STGフォーラムは、各年度につき少なくとも2回開催されます。ミーティングは、教員担当学監、研究担当ディーン、STGリサーチ・ユニット・アドミニストレーター (議事録担当)、また、必要に応じて、教員担当学監エグゼクティブアシスタント、同HRアシスタントが同席し、学長は任意で同席できます。教員担当学監は、STGフォーラムについてファカルティ・カウンシルに報告し、教授会にSTGのアニュアルレポートを提出します。

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