22.1 基本方針

沖縄科学技術大学院大学(以下「本学」という。)の教員、アカデミック・スタッフ及び事務職員、並びに本学役員及びシニアレベル・エグゼクティブ(上級幹部職)(以下「役職員」という。)は、本学の役職員としての職務に加えて、学外の委員会(コミッティ、コミッション、パネル)及び理事会等の構成員を務めることが多くあります。より企業家的な活動として、個人的なコンサルティング又はその他のビジネス活動に従事する役職員もいます。また、本学の役職員は、種々の社会活動、コミュニティ活動及び政治活動を支援することもあります。さらには、本学の職務を遂行する上で、取引業者、研究の委託者、資金提供者、及びその他の本学に貢献・支援する人々との関わりを持つこともあります。

本学は、そうした活動及び協力関係の構築を奨励する方針をとっています。しかしながら、利益又は責務の相反が生じないよう注意しなければなりません。本方針で取り扱う事項は、本学にとって非常に重要なものです。本学のコミュニティのメンバーは、それぞれ、利益の相反を避け、防ぐとともに、不適切と見なされるような状態が生じないよう対策を講ずる責任があります。

利益の相反に関する審査及び最終的な決定は、チーフ・オペレーティング・オフィサー(Chief Operating Officer)(以下「COO」という。)が行います。統括弁護士、最高コンプライアンス責任者(Chief Compliance Officer)(以下「CCO」という。)、及び教員担当学監が指名する教員2名の計4名から構成される委員会 (利益相反審査委員会)が事実関係を調査し、COOに対し調査結果の報告及び提言を行った上で、COOが決定を行います。原則として、利益の相反の判断は、事柄の性格、意図、又はその役職員の行動に基づいて行われるのではなく、その状況からどのような結果が導かれる可能性があるかということに基づいて行われます。しかしながら、役職員が22章(本章)の方針及びルールを故意に無視し、又は意図的に反する行為をとった場合、当該役職員は重い制裁措置や解雇の可能性を含む懲戒処分の対象となります。23章「不正行為及び内部告発者保護」についても参照してください。

以下の方針(並びに関連するルール及び手続き)は、本学の全ての役職員が職務を遂行する上での指針とするべきものです。

 

22.1.1 責務の相反

本学の教員及びその他の役職員は、本学及びそのミッションに対して、第一義的な責務を有しており、学外の活動及び職務に要する時間、労力、又はそれらに払う注意が、本学における責務を十分に履行する上での妨げになるようなものであってはならないということを本学の方針とします。(22.8.1章)

 

22.1.2 組織的な利益の相反

本学の研究、教育、アウトリーチ、及びその他の活動が、学外の事業体との組織的な関係によって損なわれ、又はバイアス(偏り)が生じているように認識されることがあってはなりません。そのような利益の相反の存在(や存在するように受け取られる状態)は、本学の業務の検討や実施に際して、バイアスをもたらしたり、バイアスが潜在するという不信感を生じさせたりする可能性があります。そのような利益の相反を引き起こす可能性のある状況は、開示し、審査を受け、利益又は責務の相反が存在する場合にはその状態を解消しなければならないことを本学の方針とします。これは、本学のミッション、責務又は価値観と矛盾する判断、選択又は行動を防ぐために必要となるものです。(22.8.5章)

 

22.1.3 個人的な利益の相反

職員の個人的な利益とその職員の本学における職務上の責務が相反し、第三者から見て、当該職員の職務上の行動又は判断が、金銭面やその他の個人的利益を考慮して行われているのではないかという合理的な疑問が持たれる場合、「個人的な利益の相反」の問題が生じます。利益の相反をもたらす可能性のある状況が生じたときは、速やかにその状況を開示し、担当部署による審査を受けなければならないことを本学の方針とします。利益若しくは責務の相反が実際に生じている、又は生じていると認識される場合には、その関係を解消し、又は行動を取りやめなければなりません。(22.8.4章)

22.1.3.1  「関係者」の採用
本学は、教員については、個々の採用前に国際的なサーチを行い、採用可能な最も優れた教育者及び学識者と判断された者を採用することを方針とします(3章 )。 同様に、本学は、アカデミック・スタッフ及び事務職員についても、競争的なプロセスを経て採用可能な最も適性のある者を採用することを方針とします(31.3.2章 )。 本学の職の近親者、ビジネス・パートナー、及び親しい友人などの「関係者」を採用することについては、それがいかなる職であろうと、双方がそれぞれの職の採用基準を満たす限り、制約はありません。しかしながら、教員その他の全ての役職員は、「関係者」の採用、再雇用、テニュア(教員の場合)、昇進、給与、その他の「関係者」の地位や利益に関する決定について、決議への参加、推薦、その他いかなる方法でも関与してはなりません。また、「関係者」の所属長となることもできません。
 
22.1.3.2  「関係者」とのビジネス
本学の役職員は、近親者、ビジネス・パートナー、及び親しい友人などの「関係者」と本学の業務に関する取引を行ってはなりません。また、役職員は「関係者」が深く関与している機関との間で本学の業務に関する取引を行ってはなりません。役職員は、本学の名義にて、「関係者」が所有する不動産を賃貸又は購入をしてはなりません。
 
22.1.3.3  入学者選抜に関する「個人的な利益の相反」
入学者選抜に関わる教員には、利益の相反が生じる場合があります。そうしたケースに関する方針、ルール及び手続きについては、5章の研究科ハンドブックに記載されています。

 

22.1.4 コンサルティング及びその他のビジネス、商取引又は金銭的関係

本学は、教員及びその他の専門的な職務に従事する役職員が、他の個人、事業体、他大学、コミュニティ等に対してコンサルティングやその他のサービスを提供する等の企業家的活動を行うことによって専門的知見を発揮することは良いことであり、有益だと考えます。しかしながら、役職員は、商業的な活動には、(本学及び当該営利事業体の)機密情報を入手することに伴って生じる利益の相反が潜在し、いずれかの側の適切な意思決定に影響を与える可能性があることに留意する必要があります。そのような状況が生じたときは、速やかにその状況を開示し、担当部署による審査を受けなければならないことを本学の方針とします。利益若しくは責務の相反が実際に生じている、又は生じていると認識される場合には、その関係を解消し、又は行動を取りやめなければなりません。

22.1.4.1  役職員は、本学における職務の妨げになるような学外のビジネス活動に従事することはできません。通常、教員に対しては、そうした学外の活動に携わるための休暇が付与されています(3章)。 教員以外の役職員がそうした活動を行う場合には、勤務時間外又は有給休暇等を利用するなど、兼業規則に従って、事前に許可を得る必要があります(33章)。

 

22.1.5 学外のプロフェッショナル活動

本学の方針として、役職員が学外のコミッティ、コミッション、アドバイザリー・ボード、役員会、タスクフォース、及びその他の同様な団体や協会等への参加を通じて、社会全体へ貢献することを奨励しています。一方で、学外の個人的活動への大学資源の使用を含め、潜在する利益又は責務の相反、及びその他の懸念される状況を発見し、防ぐために、本学は、全てのそのような学外活動について開示を求め、審査することを方針とします。 

 

22.1.6 政治活動

本学は全ての役職員が、許容される範囲内の国及び地方の政治活動に最大限参加することを奨励していますが、本学の方針として、役職員がその活動について本学の支持を受けていると主張したり、そのようにほのめかしたりすることを禁止します(15章 )。同様に、本人の勤務時間や他の役職員の勤務時間を含む本学のリソースを個人的な政治活動のために使用することを本学の方針として禁止します(21章 )。また、役職員が外部の政治活動に要する時間、労力、又はそれに払う注意が本学における責務の満足な履行の妨げとならないよう、「責務の相反」の方針 にも留意する必要があります。

22.1.6.1  容認される政治活動
公職への立候補については、事前承認は必要としないものの、本学の方針として、役職員が公職への立候補又は公職の任命を受けることを検討している場合には、当該役職員は所属長に相談し、潜在する利益の相反や業務への影響について検討しなければならないこととします。
 
22.1.6.2  禁止及び制限される政治活動
本学の役職員が、国及び地方自治体の職員の決定に対して不適切な形で影響を与えないこと、そして、本学の役職員が国及び地方自治体の職員の決定に対して不適切な形で影響を与えようとしているかのようにとらえられる行動を慎むことを本学の方針とします。

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