海洋・陸域科学セクション (MTS)

使命

沖縄の自然は、険しい海岸崖地、肥沃な赤土の大地、緑豊かな亜熱帯林、穏やかなマングローブ林、色彩豊かなサンゴ礁、深海の熱水噴出孔、そしてダイナミックな黒潮など、豊かで多様な美しい景観から成り立っています。

海洋・陸域科学セクション(MTS)は、沖縄の海洋・陸域を対象とした研究を支援しています。マリン・サイエンス・ステーション、Sea neXus、およびOISTメインキャンパスを拠点に、専門的な技術支援、フィールドワークの運営支援、研究施設の提供、環境モニタリング、データ・情報解析支援、生物標本コレクションの管理、地域社会や関係機関との連携・調整などを行っています。

私たちの使命は、OISTにおける環境研究活動をより円滑に支援するとともに、研究と社会をつなぐことで、その成果を沖縄の自然環境や地域社会、そして国内外の研究コミュニティーへ広く還元することです。

 

目次

サービス

MTSは、研究者が沖縄で円滑に海域・陸域研究ができるよう、施設・設備の利用や専門的な技術支援、そして地域との必要な調整を提供します。具体的には、フィールドワークやダイビングのサポート、実験施設の提供、環境モニタリング、データ情報解析支援、生物標本コレクションの管理や提供、許認可取得の支援、トレーニング、アウトリーチ活動の支援などがあります。

施設    

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MTSは、海洋・陸域研究を支える専門的な施設の運営や利用支援を行っています。主な施設に、OISTマリン・サイエンス・ステーションやSea neXus、植物生育施設があります。

Marine science station

OISTマリン・サイエンス・ステーション(OMSS)

2016年に瀬良垣キャンパスに開設したOISTマリン・サイエンスステーションは、沖合200m、水深20mから取水した海水を常時利用する海洋研究施設です。海洋研究の実験をサポートするほか、海域のフィールドワークやダイビング、沿岸での研究活動の拠点として研究を支援します。

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Sea neXus (シー・ネクサス)

2025年11月に瀬良垣キャンパスに開設したOIST Sea neXus は、先進的な海洋研究や教育、連携を支援する新たな海洋科学施設です。マリン・サイエンス・ステーションを基盤にした発展施設で、10個の独立した実験室を備えています。個々の実験室では、環境条件を独立に調節でき、天然海水供給システムまたは循環海水システムを利用できます。

Plant rack

植物生育施設

現在、OISTメインキャンパスに植物生育施設の整備を進めています。本施設は、環境条件の厳密な管理や適切なサンプルの取り扱い、コンタミネーション管理を可能にする植物実験が可能な7個の独立した実験室が整備される予定です。

フィールドワーク|技術支援|コレクション    

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MTSは、沖縄における海域・陸域研究を支援するため、フィールドや技術支援サービスを提供しています。船舶や科学潜水の運用、環境モニタリングや解析、生物標本コレクション、科学試料の収集、フィールドワークの実施支援などを行います。

MSS coral reef

ダイビングと船舶運用支援

MTSは、船舶や科学潜水の運用を通じて海洋研究のフィールドワークを支援しています。沿岸域でのサンプリング、水中調査、科学試料収集、機器の設置・回収に関する計画立案や運用の支援を行っています。また、AAUS認定プログラムに基づき、NAUI基準に準拠した科学潜水講習も提供しています。

Pair of Pycnotus sinensis atop tree
© Cassondra George

音響モニタリング

MTSは、環境音響モニタリング研究の支援として、野外での音声記録や長期センサー設置、水中音響モニタリング、サウンドスケープデータの解析などを行ないます。生物音響ソフトウェアKaleidoscopeを用いた生物音声解析や音声同定ワークフローの作成、音響データ統計処理、サウンドスケープ指標の視覚化も可能です。これら技術を活用し、2017年より実施しているOKEON調査サイトでの音響モニタリング研究をすすめており、複数の調査サイトから2025年度までに合計約13,500時間にものぼる録音データを収集しています。また、短期調査向け携帯型録音機器や水中でも利用可能な長期モニタリング向け設置型録音システムまで様々な音響記録装置を保有しています。

Image of Cyllorhynchites_ursulus_transp
© Jake Lewis

標本とコレクション

OISTの昆虫コレクションは、沖縄県内で収集された昆虫類およびその他の無脊椎動物からなる多様な生物標本群です。本コレクションは、主にOKEONフィールドネットワークの24の調査サイトで2015年から実施されてきたマレーゼトラップ調査によって収集された標本で構成されています。乾燥標本としては、種レベルまで同定されたアリ類と甲虫類を中心に、合計約240個の標本箱に約60,000点の標本が収蔵されています。液浸標本は、多様な節足動物類がそのまま高濃度エタノールと冷凍条件で保管されており、DNA解析にも利用可能です。本コレクションは、系統学や進化学、分類学、生態学、遺伝学といった様々な研究分野で活用できます。

Scientists examines eDNA on a boat

トレーニング・安全管理

MTSは、施設利用案内、野外活動やダイビングの安全指導、機器利用トレーニング、応急手当講習および安全教育の受講支援などを通して、海洋・陸域で研究活動を行う研究者が、野外や施設、特殊機器を活用して安全に研究活動ができるよう支援しています。

インフォマティクス|モニタリング    

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MTSは、長期環境モニタリングやデータ管理、情報解析サービスを通して環境研究を支援します。具体的には、フィールドデータセットや環境センサーネットワーク、標本、音響記録、カメラトラップデータ、空間情報などの管理を行うとともに、地図作成、データ解析、データの視覚化、データ提供を通して、沖縄の海洋・陸域における研究活動を支援しています。

KNN Depth map test over Motobu in Okinawa
© Kenneth L Dudley

インフォマティクスとデータ

MTSでは、OKEONの24箇所の調査サイトや生物標本コレクション、音響記録、気象観測、カメラトラップ、その他様々なデータセットを管理しています。データ検索やプロジェクトの立ち上げ、解析に関する支援を行っています。さらに、衛星画像、土壌、水質、土地利用・土地被覆、標高・水深、流域といったGISデータセットを活用した研究支援にも対応します。また、沖縄だけでなく世界各地を対象に、地図作成やマッピング、空間分析のサポートも行っています。

Relative bathymetric depth based on ICA and LandSat 8

Environmental Monitoring

MTS supports environmental research through long-term monitoring, data management, and informatics services. This includes maintaining field datasets, environmental sensor networks, specimen and acoustic records, camera trap data, and spatial data resources, as well as supporting mapping, data analysis, visualization, and data access for research across Okinawa’s marine and terrestrial environments.

OKEONフィールドネットワーク

2015年より継続 沖縄全体で24サイト

  • OKEONプロジェクト
  • SLAMトラップ
  • 音声記録装置
  • カメラトラップ
  • 気象観測装置
  • 画像

研究支援+連携調整    

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MTSは、研究と教育を支えるため、これまでに沖縄の地域社会や関係機関、行政機関との信頼関係を築いてきました。また、児童・生徒を対象とした教育プログラムや、博物館展示、地域連携活動、アウトリーチプログラムの開発にも取り組んでいます。野外調査やアウトリーチ活動に関して、関係機関との連携・調整を支援するとともに、研究遂行に必要な許認可申請、野外試料採取集に関する手続き等のサポートを提供します。

カクレクマノミは、縄張りであるイソギンチャクに他の魚類が住み着かないようにするため、縦の白い横帯模様のある魚類に対して攻撃的な行動をとることが明らかになった。
© Credit: Kina Hayashi from Okinawa Institute of Science and Technology

研究計画の相談

MTSのメンバーは、海洋・陸域研究における室内実験およびフィールド調査のサポート経験を活かし、実験計画や調査設計、サンプリング戦略、フィールドワーク運営、必要な機器や施設の検討など、研究実施に向けて研究者からの相談に応じます。研究の初期段階で制約や課題を整理し、研究室や野外もしくは管理された実験施設で行われる研究プロジェクトの計画立案から実施までを支援します。

ESI member talking about OKEON field network at community event

許認可申請と連携調整

MTSは、海域・陸域のフィールドワークに必要な許可申請や関係機関との調整を支援しています。漁業協同組合や市町村、沖縄県、国の関係機関などと連携し、研究活動が円滑に実施できるように支援します。具体的には、許可申請書の作成、関係者との連絡調整、調査地への立入手続き、現場での実施計画、採集許可申請、報告手続き、その他沖縄で研究を実施するために必要な手続きのサポートなどを行います。

Onna Museam display

アウトリーチと社会連携

現在、県内の高等学校と連携し、環境教育プログラムの開発を進めています。また、これまでにリゾートホテルと協働で教育プログラムの開発に取り組んできました。沖縄県内の教育関係者とのネットワークを活かし、研究成果の発信や地域社会との連携活動を支援しています。これまでに沖縄県や環境省と連携し、マングース、ノイヌ、ノネコなどの外来種監視のため、OKEONのカメラトラップデータを活用した情報提供を行ってきました。

Contact MTS

機器のカテゴリー

User in forest with LiDAR backpack
フィールドLiDAR

ESIは、バックパックまたは大型ドローンで使用可能な300メートル範囲のLiDARスキャナーを所有しています。現在、ESIではドローンサービスの提供はしていません

Arrow 100 w/ cap reciever, shoulder carry, and main unit
フィールド計算

高品質のGPSレシーバー3台とハンディーGPS、沖縄の多湿環境でも使用できるフィールドコンピューター、デジタルノギス、その他フィールドでのデータ収集や記録に便利な機器を備えています。

Parabolic microphone with 22" dish, hand handle, and tripod mount.
音声機器

音環境の研究に活用するマイクや音記録ユニットを備えています(長距離パラボラマイク、ゲイン調整、レコーダーミキサー、高音質ハンディーレコーダー、水中レコーダー、長期大型/マイクロ音響レコーディングユニットなど)。

User in lab demonstrating multilayer z-stacking microscope
画像

フィールド撮影、標本撮影、一般的な写真撮影をサポートする機器を備えています。Zスタッキング顕微鏡イメージング、写真撮影用長距離レンズ、360°ビデオパノラマカメラ、カメラ関連道具(バッグ、三脚、マウント)があります。

Ocean Spectrometer with Cables
分光計

フィールドでの測定や、実験室での小規模スケールの測定に便利な小型分光計を備えています。

User in field deploying eDNA sampler
フィールドサンプリング機器

eDNAサンプラー、昆虫捕獲器、レーザー距離計、ポータブルスピーカー、電池、急速充電器、その他フィールドツール(スコップ、ノコギリ、手袋、ジャケットなど)など、フィールドでのデータ収集に役立つ様々なツールを備えています。

MTS機器データベース