学長の挨拶

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、世界でも最も類まれな科学研究・教育分野の試みの一つであると言えます。本学は卓越した研究大学になるという、高い目標を掲げており、日本政府は、世界規模の研究やビジネスの世界において急速に変化するニーズに対応できる未来のリーダーを育成するため、国際的かつ学際的な大学を設立するという明確なビジョンを打ち出しました。

 私はOISTが掲げる理念を全面的に支持しており、研究、教育、大学運営、そして産学連携など全活動において、常に卓越したレベルに向けて努力を続けていくことで、達成できると確信しています。

 さて、発想力の上に成り立つ研究活動を基盤とするマックス・プランク学術振興協会における私自身の前職の経験で、研究機関や大学が成功するためには、特定の要素が必要だということを認識しました。

 まず必要なのは、世界中から優秀な人材を集めることです。大学の評価というものは、最終的には、教員、学生、職員、経営陣がいかに優れているかということにかかっています。教員は、適度に小規模な研究ユニットを各自主宰しながら、大学全体からの支援体制の下、研究活動を行うのが理想です。新たに設立された研究ユニットに対しては、できるだけ早期に独立した研究を開始できるよう支援を施すべきです。そして、教員、研究員、学生たちは、共同研究につながる可能性のある、学際的なネットワークを構築する機会を得て、その慣行が奨励されなければなりません。明白なことではありますが、コアとなる十分な財源と柔軟性のある外部資金は、世界水準の専門家による定期的な外部評価と共に、成功の基盤となるものです。

 このような基準に照らし合わせてみると、OISTは、世界トップレベルの大学と伍して卓越した教育研究を推進するのに必要な要素をすべて持ち合わせていると言えるでしょう。当ウェブサイトをご覧になれば、世界最高水準の教授陣を本学が採用し、ここ沖縄においてトップレベルの研究が行われていることがおわかりいただけると思います。多くのユニットが共同プロジェクトを実施していることを鑑みても、学際的研究という目標が既に現実のものとなっていることを物語っています。この度、新たな教員を迎え入れ、これらの新規ユニットについても、早期に研究活動を開始し、推進していく予定です。

 OISTの第二代学長として、私は豊饒な基盤を引き継ぎました。本学を率いる機会に恵まれたことを光栄に感じつつ、今後の発展に大きな期待を寄せています。

Peter Gruss

学校法人
沖縄科学技術大学院大学学園理事長
沖縄科学技術大学院大学学長
ピーター・グルース