ヒアリのことを忘れていませんか?国内発見数は増え続けています

国内の4研究機関が協働でヒアリの防除・根絶・将来の侵入への対策に向け、共同研究プロジェクトを立ち上げることとなりました。

 この度、琉球大学、京都大学、沖縄科学技術大学院大学、及び国立環境研究所は、ヒアリの防除・根絶・将来の侵入への対策に向け、共同研究プロジェクトを立ち上げることとなりました。

 5月15日(水)に、OISTにおいて、プロジェクトメンバーが集まり、一般の方にも御参加いただけるキックオフミーティングを開催します。

 2017年の夏、日本国内でヒアリの上陸が初めて確認されました。実は、2年が経過した今も、日本においてヒアリの野生巣の発見はまだないものの、ヒアリの発見事例数、個体数ともに増加を続け、範囲は全国各地に及んでいます。沖縄ではまだ発見されていませんが、沖縄県内へのヒアリ侵入は時間の問題と考えられています。

 

日本本土に上陸した毒性の強いヒアリのクローズアップ写真。

 2018年10月時点で、14都道府県でのべ1万匹弱のヒアリが確認されているなか、環境省はヒアリの侵入対策を実施しており、その一環として、環境研究総合推進費を活用した新たな研究プロジェクト「外来アリ類をモデルとした侵略的外来生物管理体系の構築」が開始されることとなりました。琉球大学が率いる本共同研究プロジェクトには、京都大学、国立環境研究所、OISTが参加します。

 各研究機関はそれぞれ異なる役割を担います。琉球大学は、その生態的な知見に基づき、外来アリを効果的におびき寄せる新たなベイト(誘引餌)技術の開発を担当し、京都大学は、ウイルス感染によるベイト効果に対する影響を研究します。国立環境研究所は、簡易かつ効果的に外来アリを同定・駆除する技術を開発し、OISTはこれらの新技術を用いた防除システムの社会実装及び、あらたな外来アリモニタリング技術を沖縄で試行し、確立した技術を全国に展開することで、ヒアリ監視ネットワークを国内に張り巡らせることを目指します。

 本プロジェクトのゴールは、これら研究機関が協力して、外来アリをモデルとした侵略的外来生物管理体系を沖縄の地で構築し、全国に先駆けたモデルケースとなることです。このゴールを達成するために、4つの研究機関が様々な研究アプローチから課題に取り組むとともに、地方自治体及び市民との共働を積極的に推進して参ります。

 国内でヒアリが最初に発見された当初は、メディアで大きく取り上げられ注目を集めましたが、次第に「ヒアリ」という言葉を耳にする機会が減りました。しかし報道されなくなった今もヒアリの侵入は続いており、政府及び研究者は、外来アリから私たちの国土を守るための対策に取り組み続けています。

 2019年5月15日(水)、沖縄県恩納村にあるOISTにて、本共同研究プロジェクトのキックオフイベントを開催し、プロジェクトの全容を御紹介します。

 本プロジェクトに参加するOISTの吉村正志博士は次のように話します。「まだ国内にヒアリの野生巣が見つかっているわけではありませんが、人やモノの国際移動がこれだけ発達した状況で、ヒアリの侵入を食い止めることは非常に困難な課題です。社会全体で取り組まねばならないこの問題を、報道に携わるみなさんと共有して風化させないよう、ぜひその力をお借りしたいと考えています。」

 

学内複数の部署から「 外来アリ類をモデルとした侵略的外来生物管理体系の構築」プロジェクトに関わるOISTのメンバーたち。写真左から、諏訪部 真友子リサーチサポートスペシャリスト、小笠原 昌子リサーチサポートスペシャリスト、吉村 正志リサーチサポートリーダー、エヴァン・エコノモ准教授、杉原 忠外部研究資金申請マネジャー、藤松 佳晃 外部研究資金申請アシスタントマネジャー

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