沖縄県の高校生が科学プロジェクトに挑戦!: 第9回SCORE!

高校生アントレプレナーが生まれるか?科学プロジェクトで頂点を目指す

12月5日、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の講堂で高校生を対象にした科学コンテスト「SCORE! サイエンス in オキナワ:起業のための研究能力 サイエンス・フェア」(SCORE!)が開催されました。SCORE! は沖縄県内の高校生が、独自で研究してきた科学のテーマについて、ビジネス視点を持ってどのように活用するのかを提案し、プレゼンを競うコンテストです。参加する高校生が、体験型の理科教育をふかめること、そして起業家精神を持つこと、さらに英語で発表すると加点されることから、グローバル人材育成につながることも目的としています。SCORE!は2012年からOISTと在沖米国総領事館が共同で開催しており、今回のイベントは第9回目となります。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、関係者だけが集まって開催された今回のSCORE!では、沖縄県内の4校から6チームが参加し、それぞれがこれまで取り組んできた科学プロジェクトについて発表しました。沖縄で馴染み深い植物「月桃」の抗菌作用の検証や、身近な素材を使用し感染症予防の教育に期待ができる「水交換ゲーム」、AIを駆使した観光産業向けのウェアラブルデバイスなど、多岐に渡るユニークなアイディアの数々が飛び出しました。

第9回SCORE!で見事、優勝を勝ち取ったのは、「アフリカマイマイの移動方法を活かした悪路運搬システムの開発」を発表した、沖縄県立球陽高等学校のチーム3名です。大きな身体と殻を持ちながら、平面以外でも移動することができる、アフリカマイマイの独自の移動方法に着眼し、災害発生時等に悪路や狭い場所での運搬システムの開発に役立てる、というアイディアを考案しました。優勝チームの球陽高等学校2年の知念実結さんは「外来種のアフリカマイマイは人に気味悪がられることが多いが、何かに役立てることがないかと考えたのがきっかけ。自分達の取り組みが、このように評価されて嬉しい」とコメントしました。優勝した球陽高校のチームには、米国での研修旅行やOISTでのインターンシップの機会が贈られました。

優勝チーム 沖縄県立球陽高等学校

OISTのケン・ピーチ シニア・アドバイザー(戦略担当)は、「科学とは、高潔な使命であり、人間の身の周りからなる世界に対する自然な好奇心から生まれます。科学的な方法を用いて、疑問を分析し、仮設を立て、実験を考案し、観察し、自己批判の目を持って結果を分析し、問いに答えを見つけることです。これからも皆さんが科学の探求を続けてくれることを心から願っています」と挨拶しました。

第9回SCORE!に参加した高校生に向けて挨拶を行うピーチ氏

研究のまとめや慣れない英語での発表の練習など、半年以上前から準備に取り組んだチームもありました。自分たちの研究に没頭し、チームメンバーと一緒に試行錯誤したことは、参加者にとってかけがえのない時間となったはずです。OISTでは来年もSCORE!に参加してくださる、将来の科学者・アントレプレナーを心待ちにしています。

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