OISTとリウボウが連携 OIST発のテクノロジーを沖縄から世界へ

OIST発スタートアップ企業の新技術の商業化に係る連携推進のための覚書を締結

学校法人沖縄科学技術大学院大学学園  と株式会社リウボウ商事は、OIST発スタートアップ企業の新技術の商業化及び販売促進に係る連携推進のための覚書を締結し、11月25日に那覇市で行われた記者会見で同覚書を取り交わしました。

沖縄におけるイノベーション・エコシステムの形成を目指すOISTは、新たなディープテック※1の商業化を進める過程において、沖縄を初期のテスト市場と位置付けることで、沖縄経済との親密な関係構築を目指しています。

両者の協働におけるパイロット事例として、OISTは、OISTが支援するスタートアップ企業によるディープテックが、リウボウがグループ傘下にもつ沖縄ファミリーマート、デパートリウボウ、リウボウストアなどを試験販売チャネルとし、また、同社が長年培ってきた商品開発、マーケティング、販売、ロジスティクス等などのノウハウを活用することで、短期間で商業化を実現するためのインキュベーション体制を整えていくことを目指します。

更に、テスト段階を終えた製品については、アジア・アメリカを含む環太平洋地域(APAC)市場への進出を目指し、リウボウグループの海外ネットワークを活用する予定です。

連携について、OIST 理事長のピーター・グルースは、「リウボウグループがOISTをパートナーと考えてくださり、OISTが推進する沖縄の自立的経済発展への寄与の取り組みに対して協力をしてくださるのは大変喜ばしいことです」と述べています。

本連携の第1号案件として、OISTの元ポスドク研究員で、かつOISTスタートアップアクセラレータープログラム※2 第1期生である株式会社REPS JAPANと同社の製品「SEEDテック」の商業化を進めていくことで合意しています。

株式会社REPS JAPANは、「Reengineering Performance Supplement(パフォーマンスサプリメントを再設計する)」をミッションに掲げ、次世代のパフォーマンスサプリメントとして、ユーザーの利便性をあげる消費技術と環境に配慮した包装ソリューションを開発し、消費者が便利で環境に優しい消費生活を実現できる製品を生み出すことを目指しています。

同社が開発した「SEEDテック」は、粉末プロテインなどのパフォーマンスサプリメントを、飲料に溶かして飲める固形カプセルにするための圧縮技術で国際特許出願中であり、さらに生分解性のパッケージを適用することも併せて、プラスチックバックに梱包されて販売されることが一般的なプロテイン商材に、脱プラスチック・ソリューションを提供します。同技術は、SDGsの以下の6つの目標に該当するディープテックです。

SEED テック
6つのSDGsの目標に該当する、ディープテックの「SEED テック」。

リウボウの代表取締役社長 糸数剛一氏は、「今回のOISTとのプロジェクトで商品化されたものをリウボウグループを通じて県内外や海外に拡販することで、沖縄県が『ビジネスリゾート』として発展していく良いきっかけとなればと考えています」 とコメントしました。

また、OIST 理事長のピーター・グルースは「このようなプロジェクトをはじめとし、OISTの活動をサポートしてくださる沖縄県に感謝申し上げます。今回の連携は大きなポテンシャルを秘めていると考えており、今後に期待したいと思います」と締めくくりました。

 

※1 ディープテック:基礎科学に基づく、社会にインパクトを与える可能性のある革新的なテクノロジーのこと。

※2 OISTスタートアップアクセラレータープログラム:世界中の優れた科学技術関連の起業家を沖縄に誘致することを目的としたプログラム。毎年、厳選された世界中の起業家が選ばれ、沖縄での企業設立に向けて必要な資金、メンタリング、パートナーシップ、OISTの人材、設備、資源活用の機会を提供する。沖縄に新たなエコシステムを創出することを目指す。詳細:https://i2.oist.jp/ja/accelerator

 

広報・取材に関するお問い合わせ:media@oist.jp

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