OIST卒業生がハーバード大学医学部の教員に就任

OISTを卒業したファイザル・マームッド博士は、この度、ハーバード大学医学部の大学教員となりました。

 ファイザル・マームッド博士は、この度、ハーバード大学医学部に新たに設置された病理学部計算病理学科の准教授に任命されました。同科は、ハーバード大学医学部関連のブリガム・アンド・ウィメンズ病院の中にあります。ファイザルさんの新しい研究室の目標は、臨床医が迅速かつ正確に病気を評価するのを助けるための画像解析ツールとアルゴリズムを開発することです。ブリガム・アンド・ウィメンズ病院から任されたより広範な目的としては、ヒトの病気の理解、診断、そして治療を促進するための高度な計算法を開発し応用することになります。

 「ハーバード大学病理学部ブリガム・アンド・ウィメンズ病院において教員となることに大変ワクワクしています。この成功の大部分は、OIST博士課程で受けたトレーニングとメンタリングにあります。特に、ウルフ・スコグランド教授の、在学中から博士号取得後にわたる絶え間ない支援、励まし、助言に感謝しています。」とファイザルさんは語っています。

 ファイザルさんは、2012年9月からOISTで勉強を開始した、OIST第1期生の学生の一人です。ウルフ・スコグランド教授の率いる構造細胞生物学ユニットにおいて「クライオ電子トモグラフィーのためのアルゴリズムおよびハードウェアの開発」と題する論文で学位を取得しました。 OIST在学中に、いままでにない数学的解析、計算ソフトウェアおよびハ​​ードウェアを使って、クライオ電子顕微鏡トモグラフィー画像を再構成する新手法を開発しました。特に、FPGA(書き換え可能な論理回路の多数配列)に数学的画像再構成解析を組み込むことで、計算時間とコストを大幅に削減することに成功し、主要な新技術となっています。 OISTでの彼の仕事はふたつの特許出願につながり、共にすでに米国特許を取得しました。

 2017年にOISTで博士研究を終えた後、ファイザルさんは米国ジョンズ・ホプキンス大学の博士後期課程のポストドクトラルスカラーとなり、Nicholas Durr博士と共にバイオメディカルエンジニアリング学部のバイオエンジニアリング イノベーション&デザインセンターで研究を続けました。そこで彼は光工学とコンピュータイメージングの研究を続け、大腸がんを検出するための重要な進歩に貢献しました。これまでに、画像処理、高性能コンピューティング、機械学習、およびバイオメディカル計装に関して10を超える論文を発表しています。
 
 OISTの研究科長でもあるスコグランド教授は、「ファイザルさんのキャリア上での成功を非常に誇りに思うと同時に、彼の個人的な成功をとても嬉しく思っています。彼が大学教員に任命されたことは、OISTで熱心に研究する学生、そして彼らの研究が世界トップレベルに引けを取らないものであることを示しています。」と述べました。
 OISTのピーター・グルース学長は、マームッド博士の素晴らしい成功を称えて、次のように述べています。「ファイザルさんの業績を非常に誇りに思い、この度のハーバード大学教員の任命を心から祝福します。彼の成功は、科学者としての紛れもない優れた才能を反映しており、OISTの大学院プログラムが提供している質の高い教育とトレーニングを証明するものです。」
 
 OISTは、2019年5月25日の第2回学位記授与式で、2018学年度卒業生の博士号取得をお祝いします。
 
この度、ハーバード大学医学部に新たに設置された病理学部計算病理学科の准教授に任命されたファイザル・マームッド博士は、2018年に卒業したOIST第一期生の一人。
Dr. Faisal Mahmood
 

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