御手洗哲司博士らがキヤノン財団の研究助成金を取得

この度、沖縄科学技術研究基盤整備機構 (OIST) の海洋生態物理学ユニット若手代表研究者の御手洗哲司博士らのグループは、キヤノン財団による2011年の研究助成プログラム「理想の追求」の研究助成金(3800万円)を取得することになりました。

 

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熱水噴出孔(ブラックスモーカー)
出典:米国海洋大気庁

 

  1977年に東太平洋海嶺で発見されて以来、熱水噴出孔は多くの科学者を魅了してきました。熱水噴出孔は地球内部から熱や鉱物を海底にくみ出し、豊かで独特な生態系を育む自然システムです。そこに棲む多くの生物は成長すると広く移動しませんが、生まれて間もない時期(幼生期)は海流によって輸送されます。そのため、生物群集の分布変動、遺伝的な変化などは、この幼生の海流輸送に大きく影響されます。

  この度、沖縄科学技術研究基盤整備機構 (OIST) の海洋生態物理学ユニット若手代表研究者の御手洗哲司博士らのグループは、キヤノン財団による2011年の研究助成プログラム「理想の追求」の研究助成金(3800万円)を取得することになりました。この助成金により、同グループは今後3年間にわたって、沖縄の東シナ海側に広がる熱水噴出域に生息する生物の幼生輸送メカニズムの解析を目指します。本プロジェクトには、海洋研究開発機構 (JAMSTEC) との共同研究のもと、海洋物理学、海洋生物学、分子生物学、システム生物学など、さまざまな分野の専門家が参画します。

 御手洗博士のコメント:「研究助成金を頂けることを大変光栄に思います。この助成金により、沖縄の熱水噴出孔近くに生息する幼生について調べることができます。研究チームを代表してキヤノン財団に御礼を申し上げます。」

  キヤノン財団は、人類の英知を深め、人類の永続的な繁栄に貢献する研究を支援しており、研究助成プログラム「理想の追求」ではFrontier、Welfare、Sustainabilityの視点から財団が設定した課題に対し、科学技術を中心に分野を越えて総合的に取組む研究プロジェクトを助成しています。2011年は、人類にとって身近でありながら未知の部分の多い「海」に関する研究が募集され、この度の御手洗博士らの研究プロジェクトを含め4件が採択されました。

研究プロジェクト名: 深海底熱水噴出域の幼生輸送と生物群集変動
リーダー: 御手洗哲司 (OIST)
メンバー:    ホルガー・イェンケコダマ (OIST)
  北野宏明 (OIST)
  佐藤矩行 (OIST)
  イゴール・ゴリアニン (OIST)
  丸山正 (JAMSTEC)
  藤原義弘 (JAMSTEC)
  古島靖夫 (JAMSTEC)
  渡部裕美 (JAMSTEC)

 

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熱水噴出孔(ホワイトスモーカー)
出典:米国海洋大気庁

 

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