OISTの頭脳に筋肉が加わった!? ~高性能計算機が新設されました~

  OISTにとってなくてはならないのは、世界水準の学際的研究機関にふさわしい強靭な「筋肉」です。筋肉と言っても腕の三頭筋や二頭筋ではありません。高性能計算機(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング:HPC)です。HPCシステムとは複数のスーパーコンピュータやコンピュータ・クラスタを活用して高水準の科学的研究、とりわけ計算科学に必要な計算能力を実現する計算機です。

  大量のデータ解析を伴う研究には、十分な記憶容量を備え、高速で解析を行うことができるHPCシステムが必要不可欠です。OISTはこのたび2週間をかけてハイテクHPCシステムを新たに設置しました。HPCシステムを構成するコンピュータ384台が13のラックに収められました。近い将来、さらに多くのコンピュータが接続される予定です。新HPCシステムのディスクの記憶総容量は1,000テラバイトです。OISTの最高情報責任者(CIO)代理でHPCファシリティ・マネージャーのアルフ・ワックスマン博士は「新HPCシステムの導入で、OISTでの研究のスピードが6倍以上になります。遺伝子配列の解読・解析や海流シミュレーション、逐次計算神経科学(ニューロサイエンス・シーケンシャル・コンピューティング)など高密度コンピューティングを用いた研究を行う分野では、新HPCシステムの威力を特に実感すると思います」と説明しています。

  この新HPCシステムの導入でOISTの最先端の研究環境は益々充実するでしょう。ワックスマン博士は「3年から5年ごとに新しい技術を導入しなければなりません。これがまさにその新しい技術です」と、その意義を強調していました。OISTは現在、新HPCシステムを既存システムへ統合する作業を進めており、OISTの研究者も10月のシステムの使用開始を心待ちにしているに違いありません。

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新HPCシステムの設置の様子(OIST)

(文:ジュリエット・ムセウ)

広報・取材に関するお問い合わせ:media@oist.jp

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